『虫のこえ』歌詞&音源
あれ 松虫が鳴いている
ちんちろちんちろ ちんちろりん
あれ 鈴虫も鳴き出した
りんりんりんりん りいんりん
秋の夜長を 鳴き通す
ああ おもしろい虫のこえ
(作詞・作曲者不明 文部省歌)
『虫のこえ』の意外と知らない豆知識3選
この歌は「耳を澄ます」ことを教える事を目的とする歌!
この歌の最大の目的は、単に虫の名前を覚えることではありませんでした。明治時代の唱歌教育において、この歌には「生徒に注意深く周囲の音を聞かせる」という重要な役割がありました。
当時、西洋から入ってきた新しい教育の考え方として、五感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触る)を鍛えることが重要視されていた為です。
歌詞に「あれ 松虫が鳴いている(ほら 松虫がないているよ)」「あれ 鈴虫も鳴き出した(ほら 鈴虫もなきだしたよ」とあるように子どもたちに「ただ聞く」のではなく、「意識を集中して音に気づき、識別する力」を養わせようという、教育的な意図が込められています。
松虫の「チンチロリン」は、日本文化が生んだ音
虫の鳴き声に対する日本のオノマトペ(擬音語・擬態語)の表現は、非常に独特です。特に松虫の「チンチロリン」は、その代表例です。
西洋の表現との違い: 英語圏では、コオロギの鳴き声は「Chirp, chirp」(チャープ)といった、単調で甲高い「雑音」として表現されることが多いです。
一方、松虫の鳴き声を「チンチロリン」と表現するのは、その音が非常に優雅で、まるで小さな「鐘」や「お鈴(仏具)」の音色に聞こえるという、日本人の繊細な感性に基づいています。
日本人は、虫の音を「うるさい音」や雑音ではなく、「風情ある音楽」として捉えるため、「チンチロリン」という擬音語は、日本の美意識が生んだ独特の表現だと言えます。
日本人の脳の働きが欧米人と全く違う事が歌詞に影響している!
欧米人の脳は、虫の鳴き声のような自然の音を主に右脳(音楽や雑音を処理する部分)で処理します。 一方、日本語を話す日本人の脳は、虫の鳴き声を左脳(言語を処理する部分)で処理することが、研究で分かっています。
これは、日本語がもともと母音を重視する言語であり、虫の鳴き声(オノマトペ)を「チンチロリン」「りんりんりんりん」といった具体的な「言葉」として捉えてきた文化がある為だといわれています。

