飲み込み

【食事前の1分でOK】食べる準備を一気に整える準備体操&ストレッチメニュー【高齢者にも】

食事前に口周りの体操を行うことはとても大切です

スポーツをする前に準備体操したほうが動きがよく怪我もしません

これは食べる事でも同じです

食べることは沢山の筋肉を使う運動ですので準備体操をすることで
食べやすくなります

最近むせる人や飲み込みに自信がない人であれば
準備体操はさらに重要です

しかし

ただでさえお腹がすいている中
食事の前にじっくり体操と言われても…という方がとても多いです(仕方のない事です)

そこで1分でできる最低限の準備体操とストレッチのメニューを作成しました

【食事前の一分】食べる準備を一気に整える準備体操&ストレッチメニュー

ゆっくり行って大体1分で終了するメニューです

急がずに行ってください

食事前1分準備体操&ストレッチ

①【首を回す】×4回

ゆっくり回します 下から回し始めて下まで戻ってきたら逆回転してください 合計4回まわします

②【4本の指で上の奥歯あたりを回しながらストレッチ】10回

ぐいぐい押すと痛いので少し押す程度でゆっくり回してください

③【あごの下を親指で押し上げる】10秒

あごの下からのどぼとけの間にある柔らかい部分を親指でゆっくり押します
これも強く押すと痛いですのでじっくりゆっくり押しましょう

④【舌で上唇・下唇・右の口の端・左の口の端をなめる】×2回

唇を舌でかるく舐めます 
舐める事が目的ではなく舌をストレッチすることが目的ですので
できるだけ舌をだして舐めてください

⑤【唾液を飲み込む】×1回

終了です!

どれくらいでできましたでしょうか?

最初ですので手順を見ながらやると少しせわしないかもしれませんが
慣れてくると覚えてしまうので無理なくできると思います

●1分の準備体操で疲れてしまう場合

食事前に疲れてしまっては元も子もありませんので
少し量を減らしましょう

大きく筋肉を動かす①で疲れる人がいるかもしれませんので
4回を2回にするなど調整してください。

それぞれの体操&ストレッチの目的と効果

①首を回す

→首や肩のストレッチです。首はともかく肩は飲み込みに関係なさそうに見えますが
しっかり関係あります

筋肉を伸ばすことで首・肩の緊張が緩和され食事時の嚥下を助けます

高齢者は首部が特に堅くなりがちです

食事時一番安全な姿勢は「あごを引く」姿勢です

食事前にしっかり首を回し安全な食事姿勢を取れる準備をしています

②4本の指で上の奥歯当たりを回しながらストレッチ

→この一には耳下腺(じかせん)があります

耳下腺は大唾液腺の一つでここをマッサージして刺激を入れることで唾液の分泌を促します

食事前に唾液が出ることで口の中の自浄作用を促します

唾液は食べ物を混ぜ合わされて
ちょうど飲み込みやすい塊(食塊・しょっかい)が作られます

唾液が少ない場合食塊がうまく作れず
パサパサしたものを飲み込まなくてはならず、むせる原因となってしまいます

その為唾液腺マッサージは食事前に非常に効果的です

③あごの下を親指で押し上げる

→これには二つの効果があります

1つは上記とかぶりますが
あごの下には顎下腺(がっかせん)という唾液腺があり
ここを刺激することで唾液の分泌を促しています

またあごの下には飲み込みに必要な筋肉がみっちりあります
舌骨上筋群(ぜっこつじょうきんぐん)と言われるこれらの筋肉群を
ストレッチし動きやすく刺激しています

④舌で上唇・下唇・右の口の端・左の口の端をなめる

→口の中に入れられた食べ物は

歯で小さくし、すりつぶし、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすい状態にしてから飲み込みます

舌は食べ物を小さくするときには歯の上に食べ物をもっていくように動きます
ある程度食べやすい食塊が作られると、上あごに押し付けるようにして喉に食塊を送り込みます
更に飲み込んだ後は口の中の食べかすをきれいに除去します

食事において舌の役割は多種多様にわたります

舌を上下左右に動かすことで舌先のストレッチ。
さらに強く前に出して行うことで舌の奥のストレッチが行えます

⑤唾液を飲み込む

→唾液腺を刺激したので口の中には唾液が多くあると思います

唾液は口の中をコーティングしているくらいがちょうどいいので

現状では多い状態なので一度飲み込んで唾液の量を調整しましょう

唾液も水分ですので唾液が多いと一口で飲み込む量が増え

誤嚥の原因になります

準備体操をせずに食べ始めた際位にいきなり運動が始まったことで
喉の動きが追い付かずむせることがあります

そうならないために一度唾液を飲んで飲み込みの予習をすることで
この食事の始まりでのむせを減らすことができます

最後に

スポーツをする前には必ず準備体操が必要です

食事も小さい動きですが運動に変わりはなく

準備体操を行うことで本来のパフォーマンスを最大限に引き出して

食事に挑むことができます

今回は1分でメニューを作成しました

最低限のメニューですがこの量でも「つらい」と感じる方もいると思います

その場合は減らしてもらっても構いません

0よりは何倍もいい方向に向かっています

習慣づけることで気にせず行えるようになると思いますので

習慣になるまで毎日無理のない量を行っていただければと思います

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なるやまなる
在宅医療・在宅介護で10年以上働く現役の言語聴覚士。 飲み込み(嚥下・えんげ)や言葉に問題のある方のお宅にお邪魔してリハビリを行う日々を過ごしています。