なんの専門家?
言語聴覚士はリハビリテーションをする職業です
リハビリテーション職は3種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)ありそれぞれ専門分野が異なります
リハビリ職の中でも圧倒的に人数の少ない言語聴覚士は
とにかく何をやっているのか謎だと思われることが多い職です
でも安心してください
名前から推測するまんまでほとんどあっています
言語→「話す事について」
聴覚→「聞こえについて」
さらに「食べる事について」も専門分野です。
これは話す事と飲み込む事はかなり密接に関係しているからです
覚えにくいよ!って方はもう
首から上のリハビリする人
って考えて頂ければOK
言語聴覚士が選ぶ言語聴覚士の事がよくわかる映画2選
言語聴覚士はマイナー職ですが
それ故に少し変わったテーマの題材として取り上げられることがあります
実際に見て面白かったのは以下の2作品です
「英国王のスピーチ」
これは「吃音(きつおん)」が題材となっている実話を映画化したものです
吃音というとわかりにくいですが「どもり」というと聞いたことがあると思います
話し言葉がなめらかに出にくい発声障害の一つです
いろいろな症状がありますが
例えば話はじめに「あ、、あ、、あのね、、」など言葉がなめらかに出にくく本人にとってつらい症状です
「英国王のスピーチ」のあらすじは…
幼いころから吃音に悩まされていたジョージ6世。何人もの言語聴覚士の治療を受けたが改善の兆しはなかった
そんな彼のために、スピーチ矯正の専門家であるライオネルを頼る妻のエリザベス。そしてライオネルは、次々と風変わりな治療を実践していく…
そして…
10年以上言語聴覚士をしていますが今のところ吃音の方に言語訓練を実施したことはありませんが、とても考えさせられる内容でした
まだご覧になったことがない人は是非見てください
実話ってのもいいです
ちょっと話はそれますが
吃音について考えるとき私はいつもスキャットマン・ジョン(Scatman John)のことを考えるのですが皆さんご存じですか?
彼は「少なくとも6回か7回は語句を繰り返さないと、しゃべり終えることができなかった」というくらい重度の吃音症ですが
52歳でどもりを生かした歌唱法で一躍有名になりました
すごい人ですよね
「潜水服は蝶の夢を見る」
こちらも実話です
「閉じ込め症候群」になったELLEの元編集長ジャン=ドミニク・ボビーのお話です
閉じ込め症候群は脳梗塞によって起こる症状の一つで
意識がはっきりしていて人の話声も聞こえ
理解も問題なくできる状態ですが動くのは眼球だけで
両手両足とも動きません
つまり意識はあるけど言葉を使って意思疎通ができない状態です
言語聴覚士は「話す事について」の専門家ですのでこの映画にも存分に登場しています
私も閉じ込め症候群の方のリハビリを担当したことがあります
この映画ほどドラマチックではありませんでしたが
地道にコミュニケーションを図るという意味では同じだったかもしれません
書籍と映画のどちらも出ていますが
断然映画の方がおすすめです
言語聴覚士は寂しい?
言語聴覚士の有資格者は3万6千人程度(2021年)です
同じリハビリ職である理学療法士の有資格者は19万人いますので
リハビリ職の中では圧倒的に少ないのが現状です
職場によっては言語聴覚士は一人という事もよくあります(私も一人職場です)
理学療法士や作業療法士が和気あいあいしている横で
ちょっと寂しい!そんな職です
言語聴覚士になるには
言語聴覚士の資格取得は
最短2年です(一般の4年制大学を卒業した場合)
これが理学療法士・作業療法士とは大きく違うところです
なので大学を卒業してさらに2年間専門学校に通って取ったり
大学卒業後社会人を経験して2年間勉強して資格を取ったりと
転職組が多いのも特徴です
だからちょっと専門学校でも理学療法士や作業療法士と比べると
年齢が高めです